2022.05.28
耳にタコができているようなフレーズで、恐縮ではございますが…(^^;)
コロナをきっかけにリモートワークが増えました。
かくいう私も、仕事やプライベートでいくつかのチームに所属しておりますが、メンバーとの直接交流の機会は減り、オンラインでの交流が増えています。
移動の手間が減り、コミュニケーションの機会が増える、という考え方もありますし、とはいえ、同じ空間に居ないので、その場の空気感から生まれる会話(ちょっとした雑談)が減る、という考え方もあります。
要はメリット、デメリットの両方がある、といった感覚です。
じゃあ実際のところ、リモートワークは組織にとって善(プラス)なのか?悪(マイナス)なのか?
そんな疑問が頭をよぎり、ググってみたところ、面白い記事を見つけましたので、今回は、それについて書いてみたいと思います。
目次
面白い記事とは、株式会社ジェイフィール(東京都渋谷区)という会社が行った「組織感情」の調査です。
ちなみに「組織感情」とは、職場全体に広がっている空気感、ムード、感情のことだそうです。
≪参考記事≫「コロナで変化した『組織感情』の分析結果を発表。働き方改革、リモートワークが『組織感情』に与えた影響とは」(PRTIMES)
調査結果では、職場のメンバー全員に、53個の質問に答えてもらい、組織感情の広がりを7段階(快適職場~不快職場)で数値化しています(調査数:699社)。
そして、1~3段階を「不快職場」、5~7段階を「快適職場」と位置付けています。
以下は、ビフォー(コロナ前:2018年12月~2020年3月)とアフター(コロナ禍:2020年4月~2021年7月)の調査結果を比較したものです。
もともと「不快職場」だった場合、組織感情は改善したそうです。
理由は、リモートワークが進み、物理的に距離感が生まれたため、不快な感情の交流が減ったことが考えられます。
また、個人の感情として、自己肯定感が高まった(改善した)人が多かったそうです。
この理由は、個人を委縮させ、自信を失わせる(自己肯定感を削ぐ)ようなフィードバックが減ったことが考えられます。
もともと「快適職場」だった場合、組織感情は変わらなかった(高いまま維持されていた)そうです。
理由は、「快適職場」では、そもそもの関係の土台がしっかりしているため、リモートワークでも良い感情の交流が行えているからではないかと考えられます。
一方で、個人の感情には、少しマイナスの影響(やる気の低下、自己肯定感の低下など)が見られたそうです。
理由として、良いフィードバックを与え合う(承認力を発揮し合い、自己肯定感を育む)という機会が減少したことが考えられます。
≪関連記事≫5つの承認力とは
また、交流の機会が減少すると、ネガティブな情報を出し難くなり(自分の気持ちを隠そうとする)、お互いに踏み込まなくなるため、結果として、気持ちの距離感が生まれます。
この調査結果から、リモートワークは、全体的には快適な職場づくりに貢献していると言えます(特に、「不快職場」の場合には、個人の自己肯定感の回復が期待できる)。
しかしながら、「快適職場」においては、お互いの自己肯定感を高め合う機会が減り、個人のやる気の低下や距離感を生んでしまう可能性があると言えます。
私は、この調査結果を通じて、以下の3つの感想を持ちました。
①リモートワークの影響(善か?悪か?)は、もともとの職場の状態によって異なる。
②もともと快適な職場においては、リモートワークに偏重しすぎるのではなく、オフィスワーク(又はオンラインでの接触、交流)の機会を増やしたほうが良い。
③「なんか、コミュニケーションが不足しているな」と感じるのであれば、それは良い事(もともと快適な職場であるからこそ感じるフラストレーション)である。
我々は、無意識でいると、どんどん便利な方(リモート)に流れていくと思います。
幸いにも、私が所属しているチームは何れも「快適」です。
だからこそ今後は、接触、交流の重要性を意識し、リモートをバランス良く使っていきたいと思います!
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