2022.07.09
私の十年来の友人(吉野創氏)が、今年の3月に本を出版しました。
タイトルは『売上を2倍にする 指示なしで動くチームの作り方』で、ジュンク堂池袋本店など、有名書店の週間ランキングで1位を獲得した話題の書籍です。
≪関連リンク≫売上を2倍にする 指示なしで動くチームの作り方(吉野創)
出会った頃の彼は、コンサルティングファームの支社長をしていて、とても忙しそうだった記憶があります。
著書の中では「とにかく売り上げをあげることに執着していた」と語られています。
“社員の幸せ(雇用、給料、生活を守ること)を願えばこそ”だったようですが、その心とは裏腹に、チームはバラバラになり、優秀な社員は会社を去っていったそうです。
このエピソードを読んだとき、私はマサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱した「チームの成功循環モデル」の話を思い出しました。
目次
「チームの成功循環モデル」の概要はこうです。
・チームが成功するか否かは、4つの要素(関係の質、思考の質、行動の質、結果の質)によって決まる。
・この4つの要素は、互いに関連性があり、矢印の方向に影響を与える。
・どの順番でマネジメントを行うかによって、チームの明暗が分かれる。
もしも「結果の質」を起点としてマネジメントを行ったら、どうなるでしょうか?
①業績が上がらないことを叱咤する(「結果の質」に注目)
②チームの雰囲気が悪くなる(「関係の質」が低下)
③メンバーのやる気が下がる(「思考の質」が低下)
④消極的な働き方になる(「行動の質」が低下)
すると「結果の質」が更に下がり、負のスパイラルが起こってしまいます。
今度は「関係の質」を起点としてマネジメントを行ったら、どうでしょうか?
①チームの雰囲気を良くすることに努める(「関係の質」に注目)
②メンバーのやる気が上がる(「思考の質」が向上)
③自発的な働き方になる(「行動の質が」向上)
④業績が上がる(「結果の質」が向上)
すると「関係の質」が更に良くなり、正のスパイラルが起こり始めます。
「関係の質」を起点としてマネジメントを行う際に、最も重要なのが“承認力”です。
≪関連記事≫承認力とは
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この際、リーダーは、自身がメンバーを承認することだけでなく、メンバー同士が承認し合える雰囲気づくりを心掛けることが肝要です。
なぜならば、承認には相乗効果が働くからです。
想像してみてください。
例えば、あなたが誰かから「ありがとう」と認められた時のことを。
自然と「いえいえ、私のほうこそ、ありがとう」と認め返したくなりますよね。
人は認められると、相手のことを認めたくなります。
誰かが発した承認力が、誰かに波及し、結果として「関係の質」を高め合うチームが出来上ります。
ちなみに私の友人は「チームがバラバラになり、優秀な社員が去った」その後に、支社長から降格したことを赤裸々に語っておりますが、彼のすごいところは、その苦い体験を現場でのコンサルティングに活かし、数年の後に、再び支社長に復帰して、今度は部下育成に成功したことです。
現在は独立し、その時の経験を活かして、働く人のやりがいと一体感ある理想の組織作りのコンサルティングに奔走しています。
私も、彼を見習って、関係の質を起点としたチーム作りのコンサルティングを行っていきたいと思います!
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